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綺麗な月に守られて、今もどこかに②
そして家族でお見舞いに。この時は薬が効いてだいぶ楽になっていたようで元気そうでした。
入院前は腹水がたまって苦しく、話も出来ない状態だったそうです。

「早く元気になってね」

お見舞いに行った日、それが私の最後に見るおじいちゃんの元気な姿でした。

オリンピックを家に帰って見るんだって、おかゆが食べられるようになったら帰らせてもらえるんだって、おじいちゃん頑張ってた・・・・。

関東に帰ってからも何度か電話をしていましたが思わしくない様子でした。
オリンピック開幕の日も、気になって家に電話をしました。

「おじいちゃんオリンピック見てる?家に帰れた?」

「おじいちゃん、もう自分で立てなくなっちゃった」

母からの言葉で涙が出ました。まだ亡くなって無いけれど、あの元気だったおじいちゃんからは
想像もつかない言葉だったから。



そして 13日の午後母からの電話でした。
「おじいちゃん、個室に移ったよ」

その10分後再び母から
「おじいちゃん、今亡くなったって」


余りに突然の訃報で一気に涙があふれました。
ただただ悲しくてなんにも出来ない自分が悔しくて・・・・

でも唯一救いだったのは おじいちゃんが苦しまずに逝けたこと。
13日当日には苦しくてお医者に「もう殺してくれ」とまで言っていたおじいちゃん。
薬が効いて眠っている間に・・・でした。

本当に眠るように亡くなったそうです。


私は連絡を貰ってすぐに帰らなきゃいけないのに、まともに準備が出来たのはもう夜近くでした。

新幹線に乗って、電車とバスを乗り継いでようやく家に着いたとき、実家を離れていた兄も帰って来ていました。

父はもう何日もほとんど寝ないで病院や家やおじいちゃんちを掛けまわっていて、
式の手続きやらでこの日も深夜を回って帰ってきました。

無くなったのが遅かったので通夜は14日、告別式が15日に決まりました。
14日、式場に向かう前、おじいちゃんの顔を見ました。
眠っているかのようなほんとうに安らかな顔でした。おきるんじゃないかって・・・・思えました。

お迎えを待つ間、父は疲れきった顔で呆然としていました。
あんなに沈んだ父を見るのは初めてで、胸が痛みました。
涙を見せない人だからこそ・・・・きっともっと辛いんだと思います。

式場についたら、開式4時間前にも関わらずすでに親族が集まって来ていて多くの方に挨拶しました。
何もせずに座っては居られず、親族にお茶だしをしていました。誰かに言われたのでも無く自然とそうしていました。そのおかげで何かしら気が紛れていたんだと思います。

通夜式と告別式にはこれでもかというくらい大勢の方が集まり、お盆にも関わらず遠方から沢山の方が駆けつけてくださいました。
通夜式の後は親族も大勢泊まっておじいちゃんと寝ました。

告別式、お経の際にすでに泣きそうだったのですが最後の対面、そしてお花を添えるとき、絶えられずに泣いてしまいました。
お葬式終わるまでは泣かないと決めていたんです。

おじいちゃんを送り出すのに、涙のお葬式は嫌だって思ったから・・・・。
でも駄目でした。

もう辛くて辛くて・・・火葬場へのバスの中でも止まりませんでした。




実家を離れてからも度々祖父母に会いに行きましたが、「よう来たね」といつも笑顔で出迎えてくれる人でした。

私は若い頃のおばあちゃんによく似ているから好きなんだと、孫の中で私が一番好きなんだって
言ってくれていました。
おじいちゃんがくれた石と台座を机に飾ったり、持ち歩いたり、常にそばに居たような存在でした。

おじいちゃんの家に行くといつもかき卵汁を作ってくれて、それが小さい頃から大のお気に入りでした。もともと料理上手なおじいちゃんだったけれど、他のどんな料理よりもそれが大好きでした。
もうあの美味しいかき卵は食べられないんだと思うと、あの優しいお顔も見られない、声や聞けない、そう思うと本当に涙が止まりません。

ほんとうに優しくて素敵なおじいちゃんでした。

亡くなった13日、駅のホームでは綺麗な月が見えました。
実家に着いて見た月も綺麗だった。
14日だけは通夜の直前通り雨が降り、15日のお葬式はこれ以上ないほどの晴天だった。

もうおじいちゃんは泣いていないね。



大好きなおじいちゃんへ


末期癌だったのに入院を頑なに拒んでたね。
入院中おばあちゃんにたくさん怒ったりあたったっりしていたけれど、
きっと心の中で感謝してたんだよね。口下手なお父さんみてたら分かる。

本当はおばあちゃんが大好きで家が大好きで優しくって

ちゃんとみんな知ってたよ。

集まった人たちを見てたらおじいちゃんの人柄が本当によくわかるよ。

私もおじいちゃんの孫として、ちゃんとしたい。
これからも見守っていてね。

今もそばにいるんだって思えるから、頑張れるよ。


どうかゆっくりやすんでね。

本当にいままでありがとう。お世話になりました。
一番良い天国に行けるように毎日祈るからね。

おばあちゃんの家に目印があるから迷子になっちゃ駄目だよ。
迷わずに家に帰って来てね。

たまには私や兄のところにも遊びに来てね。おじいちゃん。
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